用語解説

がけ崩れ

 雨で地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め斜面が突然崩れ落ちる現象のこと。前ぶれもなく突然起こることが多く、スピードも速いため、人家の近くで起きると逃げ遅れる人が多く死者の割合も高くなる。地震が原因で起きることもある。

がけ崩れ災害イメージ図

がけ崩れ災害イメージ図

S54.6豪雨の被災状況 柳井市多布路木地区

S54.6豪雨の被災状況 柳井市多布路木地区

土石流

 大量の土・石・砂などが集中豪雨などの大量の水と混じりあって、津波のように出てくる現象のこと。流れの先端部に大きな石があることが多いため、破壊力も大きくスピードも速いので悲惨な被害を及ぼす。

土石流イメージ図

土石流イメージ図

S54.6の豪雨で被災した民家 柳井市 和田石川

S54.6の豪雨で被災した民家 柳井市 和田石川

地すべり

 粘土などのすべりやすい層を境に、その地面がそっくりズルズル動き出す現象のこと。地割れで田畑や家が壊されたり、押し出された土砂や地面の移動のために、道路や建物が広い範囲で被害を受ける。

地すべり災害イメージ図

地すべり災害イメージ図

S54.6豪雨の被災状況 柳井市多布路木地区

S54.6豪雨の被災状況 柳井市多布路木地区

前兆現象

 土砂災害の前に、発生する渓流や斜面などの日常とは異なる現象。注意深く観察することで土砂災害の発生を早期に予測して避難に繋がることがある。
 がけ崩れ前兆現象:がけからの水が濁る。がけに亀裂が入る。小石がバラバラ落ちてくる。
 土石流の前兆現象:山鳴りや、立木の裂ける音、石のぶつかりあう音が聞こえる。雨が降り続いているのに、川の水位が下がる。川の水が急に濁ったり、流木が混ざりはじめる。
 地すべりの前兆現象:地面にひび割れができる。沢や井戸の水が濁る。斜面から水が吹き出す。

土砂災害

 土石流、がけ崩れ、地すべりなどの土砂移動を伴う災害のこと。

土砂災害警戒区域

(1) 急傾斜地の崩壊

傾斜度が30度以上である土地が崩壊する自然現象

  • i.傾斜度が30度以上で高さが5m以上の区域
  • ii.急傾斜地の上端から水平距離が10m以内の区域
  • iii.急傾斜地の下端から急傾斜地の高さの2倍(50mを超える場合は50m)以内の区域

(2) 土石流

山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が水と一体となって流下する自然現象

  • ・土石流の発生のおそれのある渓流において、扇頂部から下流で勾配が2度以上の区域

(3) 地すべり

土地の一部が地下水等に起因して滑る自然現象又はこれに伴って移動する自然現象

  • i.地すべり区域(地すべりしている区域または地すべりするおそれのある区域)
  • ii.地すべり区域下端から、地滑り地塊の長さに相当する距離(250mを超える場合は、250m)の範囲内の区域

土砂災害特別警戒区域

 土砂災害警戒区域のうち、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれがある区域
 急傾斜地の崩壊に伴う土石等の移動等により建築物に作用する力の大きさが、通常の建築物が土石等の移動に対して住民の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある損壊を生ずることなく耐えることのできる力の大きさを上回る区域。
 ※ただし、地滑りについては、地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等により力が建築物に作用した時から30分間が経過した時において建築物に作用する力の大きさとし、地滑り区域の下端から最大で60m範囲内の区域。

土砂災害警戒区域等

 土砂災害警戒区域等は、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生じるおそれがあると認められる区域であり、危険の周知、警戒避難体制の整備が行われる。

大雨警報

 大雨によって、重大な災害の起こるおそれがある旨を警告して、気象庁が行う予報のこと。

土砂災害警戒情報

 土砂災害警戒情報は、大雨により土砂災害の危険度が高まった市町を特定し、山口県と下関地方気象台が共同して発表する情報のこと。市町長が避難勧告等の災害応急対応を適時適切に行えるよう、また、住民の自主避難の判断等に利用できることを目的としています。

土砂災害警戒避難基準雨量

 降雨による土砂災害発生の危険性を判断するため、定めた雨量のこと。設定手法には様々な方法があるが、山口県では連携案方式(*)を採用している。(*:国土交通省河川局砂防部と気象庁予報部の連携による土砂災害警戒避難基準雨量の設定手法案(平成17年6月、国土交通省河川局砂防部 気象庁予報部 国土交通省国土技術政策総合研究所))

雨量分布

 国土交通省河川局・道路局と気象庁が全国に設置しているレーダー、アメダス等の地上の雨量計を組み合わせて、降水量分布を1km四方の細かさで解析したもの。

60分雨量

 60分前から現在までの雨量を積算したもの。土砂災害警戒情報発表の監視にも使用している。

土壌雨量指数

 気象庁で採用している土砂災害発生の危険性を判断するための降雨指標のこと。「実際降っている雨量の解析値」を基に、「川などへ流出した量とさらに深い地下へ浸透した量」を引いた雨量をモデル化し、各タンクの貯留量の合計を「土壌雨量指数」として作成している。数値が大きいほど土砂災害や洪水など大雨による災害発生の可能性が高くなる。土砂災害警戒情報発表の監視にも使用している。

土砂災害発生危険基準線(CL、Critical Line)

 土砂災害警戒避難基準雨量の設定において、土砂災害が発生しやすい降雨水準である領域と土砂災害が発生しにくい領域を分けるため設定する線のこと。山口県で採用する連携案においても対象とする土砂災害を補足可能な降雨水準を目安にCLを設定している。

土木防災情報システム

 山口県が行政の危機管理体制強化や県民の自主避難の判断等を支援するため、インターネットなどで気象や山口県の観測情報などを情報提供するシステムのこと。

避難勧告

 「避難勧告」とは、住民の生命や身体に危害のおそれがあるとき市町の長が発表する情報で、住民に避難所などへの避難を促す。

避難場所・要配慮者利用施設

 避難場所とは、災害が発生するおそれがある場合又は発生時において、安全が確保されるまでの間あるいは住家が被害を受け復旧がなされるまでの間、避難しなければならない者を一時的に収容し、保護するために設置するものです。

 要配慮者利用施設とは、児童福祉施設、老人福祉施設、医療提供施設などの自力での避難が困難な方が入居などしている施設のことを言います。

 また、土砂災害防止法についての詳細は、以下をご覧下さい。